ともゆを解放セヨ

自己解放が目的のブログ。あやしくはありません。

愛憎

昨日、彼をころした。脳内で。

最初は彼にとっていちばん大事な手を、そして胸を、下腹部を、足を、背中を、最後に首を。ぐさぐさぐさぐさ、ナイフで刺して。苦しめ、苦しめ、苦しんでからしねって。そう思いながら。顔は傷つけなかった。長いまつげが大好きだから。それを見つめていた時がいちばんしあわせだったから。彼は傷だらけの血だらけで、そうしてわたしも泣きました。大きな声で。たくさんたくさんしあわせな気持ちをもらって、同じくらいたくさんたくさん傷ついてた。昨日、彼を脳内でころして初めて気づいた。わたしこんなに傷ついていたのかーって。

よく、スピリチュアルな話では「うまくいっていないときほど、彼を思いましょう。愛を送りましょう」みたいな話聞くんですけど。それでうまく行った話も山ほど聞くんですけど、たぶん、上手くいってない話の方がそれ以上にあるんじゃないかと思う。表に上がってないだけで。たぶんね。

現実世界で上手くいってないのに、想像の世界でそんなご都合主義できるかーーーーーい!!!!!!

現実世界のひどい彼がちらついて、恋人同志のように脳内では振舞えないよ。少なくともわたしはそう。

うまくいかないから、どーーーーーがんばってもうまくいかないから、思い切って彼をころしてみた。ぐさぐさぐさぐさ、刺してみた。そうしたら自分が泣けた。現実では泣けなかった。脳内で、大声で、泣いた。

彼と付き合い始めてからずっと、傷ひとつつけるのがこわかった。現実ではもちろん、脳内でも。だから脳内でころしたのは昨日が初めて。タグ付けされたFacebookがキッカケで。仕事とかライフワークとかで忙しい忙しいって言いながら、でもオンナと会っていた。たぶん彼にとってはそれも『ライフワークのため』なのだろう。彼女かもしれないけど、彼の性格上、それは信じ難かった。それでも、オンナと会う時間があるならわたしと会ってほしかった。そういう悲しい気持ちになった。だからころした。わたしの思いを返せ。わたしの気持ちを返せ。わたしを、返せ。

初めて彼に嫌悪感を持った。もしかするともうわたしは彼に触ることができないかもしれない。そう思った。まだわからないけど。てか、彼の方がもうわたしに触りたくないのかもしれないけど(誘ってもスルーされてるし!)。会って聞くこともできない。そもそも会えない。というか、会いたくないかもしれない。そんなことを思う自分がとてもさびしい。

彼を脳内でころしたら、彼に彼女ができた夢を見た。当然だ。あのオンナが彼女だ。その夢の中で、彼は彼女に誠実だった。毎日車で送り迎えをしてるって。彼女のことが本当に好きなんだって。誠実。わたしが彼に求めていたことかもしれない。

許せば彼は帰ってくる。そう思って数年が過ぎた。でも許しすぎたのかもしれないね、許しすぎたら、帰ってこないのかもしれないね。

3時間だけ寝て、仕事。

ラッシュの中、もみくちゃにされながらウトウトしてたら、わたしは彼に抱かれていた。あのときの、わたしのことを好きだと言ってくれていた時の彼だった。やさしくわたしに触ってくれた。キスをして、からだを重ねた。ふたりでたくさん、笑いあった。そうして目が覚めて、わたしは愛に満ちていた。目に見えるすべてのことにやさしくすることができた。

わたしにとってセックスはそういう手段だと思った。しっかりと自分のからだを感じられる。愛を与えられる。満たされる。だから元夫との10年に及ぶレスは、苦痛であり情緒も不安定な毎日だった。「カップルカウンセリングに行きたい」勇気を出して言ったわたしに向かって元夫は「やだよ」と笑いながら言った。絶望を知った。そんなわたしを、彼が救ってくれた。現実世界では不倫と呼ばれることだったけど。

救い。

救われたい。

救いたい。

わたしは彼と、もしかすれば他の誰かと、またからだを交わらせて、愛し合いたい。ただひたすら、安心して眠りたい。本当は、彼のことも誰のことも、ころしたくはなかった。